悩みに悩んだ末、Rさん一家は、気に入っていたその物件を断念しました。「売主に契約しない旨の連絡を入れたところ、先方も調査当日のやりとりからして、当方がそうするであろうことは予想していたようで、了承してくれました」契約断念の数日後、世間を騒がせることになる耐震強度偽装事件が発覚しました。問題になったのは、Rさん一家がキャンセルした物件のディベロッパーでした。Rさんはこのニュースを聞いて、まず真っ先に件の営業マンのことが頭に浮かんだといいます。
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「あの営業マンは、自社の物件に対して強い思い入れがあり、現場調査を受けても絶対に大丈夫だという自信を持っていました。これだけの自負を持った営業マンはほかにいませんでした。彼が施工中現場調査の実施を会社にかけ合ってくれなければ、欠陥も発見できず、あのまま購入してしまっていた可能性もあるわけですから」確かに、Rさんは営業担当者に恵まれたといえるでしょう。しかし、Rさんが欠陥マンションを購入せずに済んだのは、ほかならぬRさん自身が動いたからです。契約に不安を感じたとき、「こんな直前になっては、もう何もできない」とは思わず、私に相談してくれたこと。