日本では築後二〇年を過ぎると建て替えられ始め、中には一〇年、一五年で建て替えられる家も決して少なくありません。粗悪な普請や手抜き工事のためにやむをえないという場合もありますが、こうして建て替えられる家のほとんどが、住まい手の暮らし方に対応できなくなって建て替えられているのです。家に限らず、人はモノと付き合うとき、大切に少しでも長く使いたいという気持ちと、使っているうちに傷んできたり、もっとよいものが目に留まったりして新しいものに取り替えたいという気持ちの間を揺れ動きます。
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たくさんのモノが部分として総合的に構成されている住宅では、屋根や壁などの傷みや汚れ、キッチンやリビング、個室などの広さや形、そして、キッチンや浴室・洗面などの設備の使い勝手など、その部分部分について住まい手の心は複雑に揺れ動きます。各部分ごとの不満や不都合が積み重なって住まい手の我慢の限界を越えたときに、家は見放されて、建て替えが決意されることになります。