不動産投資ビジネスにおける日米の違いを端的に示す代表例は、証券化の対象になった商業不動産の質の違いではないでしょうか。アメリカでは、1983年に当時の北米最大のデベロッパーであったオリンピア−アンド−ヨーク(O&Y)がニューヨークのマンハッタンに所有するオフィスビルを証券化したのが、商業不動産証券化の始まりだといわれています。当時10億ドル近い資金が資本市場から直接調達できたのは、利回りの高さや様々な保全のプロテクションが用意されていた等の好条件以上に、やはり担保物件であるオフィスビルそのものの価値の高さが認められたからではないでしょうか。
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これ以降、様々な種類のアメリカ商業不動産が証券化され、その調達金額も拡大傾向が続いてきました。なかでも、同じくマンハッタンの中心地に位置するロックフェラーセンターが85年に証券化され、13億ドルという巨額な調達にもかかわらず、かなりの人気を得たのは象徴的です。アメリカ人の魂とまで呼ばれ続けてきたロックフェラーセンターが、REITという形態で一般投資家に提供されたこと自体、良い不動産は売らないと決めつけている日本人には理解しがたいことです。アメリカの商業不動産の証券化は、ロックフェラーの成功もあってさらに拍車がかかります。ラスベガスの有名ホテル、サーカス−サーカスやアメリカン−エクスプレス本社ビル等の有名不動産が次々と名乗りを上げました。最近では、110階建てというアメリカ最高層のビル、シカゴのシアーズ−タワーがREITのスキームで証券化されるという噂も出始めました。アメリカには、ランドマ−クこそ証券化しようという土壌があることが、あらためて確認された形です。