「建替え事業推進委員会」の発足

2011.10.28

復興協力委員会の方針は、設立当初の補修と建替えを均等に検討するという主旨を捨てて、神戸市が派遣したコンサルタントが、優位性を説いた建替えの方向に傾いていった。補修すれば住みつづけられる建物を、十分な調査もしないで解体することに疑問を抱く人たちの意見を次第に封じ込めるようになってしまった。そして、管理組合はコンサルタントの講演があってから三ヶ月後に臨時総会を開いて建替え方針を決議し、「建替え事業推進委員会」を発足させることになったのである。

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建替え事業推進委員会を設置してからは、神戸市の人材派遣制度を利用して、講演をしたコンサルタントが主宰する会社の支援を受けることになった。さらに建替え事業協力者として某建設会社を選定している。しかし、いざ建替えを具体的に検討してみると、一人の区分所有者が専有部分に数億円の根抵当権を設定しているのをはじめとして、三〇名近くの区分所有者が抵当権を抹消するのに難しい問題をもっていること、さらには建設会社から提示された建替え費用が、コンサルタントが講演で話した費用とはるかにかけ離れているなどの事態が生じ、計画は難航した。こんな経緯のなかでコンサルタントは退任、やがて建設会社も事業協力から去ることになる。この間に建替え事業推進委員会内部でも事業の推進方法をめぐって対立が生じている。しかし次には、計画推進の建て直しをはかるために管理組合は弁護士と建築士からなるコンサルタントチームと業務委託契約を交わし、被災から一年八ヶ月後の九月に建替え決議の臨時総会が開催された。管理組合とコンサルタントチームは、補修には「過分の費用」を要するとして、当時の区分所有法第六二条一項による区分所有者および議決権の各五分の四以上による法定建替え決議に踏み切ったのである。この時の決議には三票が不足し議案は否決された。その後、管理組合は建替えに賛成しなかった人たちの意見を聞く会をもったものの、抵当権抹消の確実性の問題や、非賛同者が主張する正式な被災度区分判定とそれに薇づく補修案の検討をおこなわずに、四ヶ月後に再び建替え決議の臨時総会を開催している。採決の結果は五分の四をわずかに上回り、建替え議案が可決された。