外壁が鉄筋コンクリートでも問題が

2011.12.19

外壁には、鉄筋コンクリートが使われることが理想です。問題がないとされる厚さの目安はダブル配筋で約15センチ以上ですが、それでも注意が必要な場合はあります。日本建築学会の構造規準書の中に、建物外壁のコンクリート壁の配筋はダブル配筋にすることとうたわれてはおります。ただし、この規準はあくまで推奨であって、法的拘束力はありません。そもそも日本の建築基準法では、役所や委任を受けた第三者機関に建物の確認申請を提出する時に添付する「構造図一構造計算書」は、日本建築学会の規準に沿っていなくても、構造計算上正しければ確認申請は通ってしまうのです。

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耐震偽装という大問題があったにもかかわらず、いまもこうした抜け道は存在しているのです。さて、以前にあるマンションで現地同行チェックを行った際に手にしたメインパンフレットの中に、外壁の断面のイラストが書いてありました。鉄筋コンクリート壁、厚さ15センチと記載されていましたので、疑いもせずにダブル配筋のコンクリート壁だと思い、私のチェックリストにその旨を書き入れました。ところがその後構造図をチェックしましたら、このマンションの外壁は、実はダブル配筋ではなくシングル配筋だったことが発覚したのです。シングル配筋の鉄筋コンクリート壁はちょっとした地震でもひび割れが入りやすく、そこから雨水が住戸内に浸入する可能性があるシロモノです。いうまでもなく、私はチェックに同行したお客さまに、この物件はやめたほうがいいですよ、とアドバイスし、その方はことなきを得たのでした。このように建物の大切な部分を、購入者には分かりづらいところでコストダウンをしている物件をつくっている売主や設計者は、確信犯です。