施主定例も頻繁になり、カーペットやペンキの色、設備機器のタイプなどが具体的に決定すると、いよいよ「理想の家」の完成です。工事も大詰めになると、まず設計者が現場をチェックし、最終的にOKかどうか判断します。これを「設計検査」といいます。壁紙の剥離はないか、ペンキの色むらはないか、防水工事はちゃんと出来ているか、コンセントの取り付け位雌に問也はないか、フローリングに不随(床の凹凸のこと)や傷はないか……等々、ほとんどが仕上げや細かいディテールに関する項目が多いわけですが設計者としては、自分の「空間芸術」が成功しているかどうかのスリリングな時間ではあります。実をいえば、建築家の内心には、「ここはうまくいったから、次の物件でも使おう」とか、「この納まりは、もう少し検討の余地がありそうだ」といったように、心のどこかで「次の作品」の構想が浮かんでいるものです。設計者が、「これならお客さんに引き渡しても大丈夫」と判断すると、今度は施主に竣工物件を見てもらいます。これを「施主検介」といいますが、住宅規模だと、設計検査と同時におこなうことも普通です。施主検査は、あくまで設計図(見積り図)と同じに出来ているかをチェックするものですから、「ここに窓をひとつ増やしてもらいたい」とか、「クーラーは直付けでなく、天井に埋め込んでほしい」といった要望は、受け付けられません。もし、本当に実行したいのなら、別途発注となります。要するに、竣工検査後の変更には、別途コストがかかることを承知しておいてください。
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